• 2004年 新卒入社
  • 商品企画開発 金森 久美子

入社の経緯

金森久美子

「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、小さな頃から何かを作り出すのが好きだった私は、「将来はものづくりに携わりたい」と漠然と考えていたのだと思います。短大でインテリア・コーディネートを学んだのもそんな想いからで、就職活動でも「商品企画」ができる企業を中心に探していました。

また、生まれも育ちも京都の私にとって、京都で働けるというのは大事なポイントでしたから、自ずと京都の老舗企業が頭に浮かびます。そんな中、「あぶらとり紙」を愛用するなど、身近に感じていた『よーじや』に思い当たり、面接でものづくりへの情熱を十二分に伝えることができたのか、内定をいただき、新卒で入社に至りました。

入社後、配属前に店舗での事前研修が行われました。そこでの接客がすごく楽しかったのと、「まずはお客様を見なければ何も作れない」と考え、最初の配属希望は店舗で提出しました。結果、2年間ではありますが、店舗でお客様の反応を直接感じ取れた経験は大きかったと言えます。本社の中にいると数字では見えても、お客様のいきいきとした姿までは見えなかったでしょうから。

金森久美子

『よーじや』ならではの「スキンケア発想のファンデーション」という挑戦

金森久美子

『よーじや』は舞台化粧にルーツを持ち、「あぶらとり紙」にしても、役者さんのドーランのテカリを解消するため、厳しいプロの要求に応えるところから始まっています。これまで「うるおい紙」をはじめ、50~60商品の企画に携わってきましたが、現在もその伝統に基づくこだわりを受け継ぎ、それぞれ長い時間をかけて企画開発をしているため、すべての商品に思い入れがあります。

その中でも印象深いのは、ファンデーションシリーズの立ち上げです。もともと「ファンデーションは使わず、白粉で素肌美人」というのが『よーじや』の想いだったのですが、お客様から「『よーじや』のファンデーションが欲しい」という声を多数いただき、「それなら、これまでにない『スキンケア発想のファンデーション』を作ろう」とコンセプトを固めました。

お客様からの非常に高い期待値を超えなくてはならない、しかも、単品ではなく下地からリキッドまで一挙に揃えなくてはならないという、かつてない重圧の下、さまざまな困難に対峙することに。それでも一切の妥協なく、最後まで強い気持ちを胸に、商品化にこぎつけました。

その甲斐あって、モニター段階でも「すぐにでも売って欲しい」と喜んでいただけたり、お披露目の催事では「ずっと待っていました」という反応を直接目の当たりにしたりと、お客様の満足ですべての苦労が報われた気がしました。

『よーじや』のものづくりの舞台裏

金森久美子

商品企画の流れは、お客様の声をベースに、『よーじや』ならではのコンセプトを策定することから始まります。すでに世の中にあるものを作っても意味がありませんし、それは『よーじや』ファンも求めていません。あくまでもお客様が求めるもの、満足していただけるものを追求するゆえのスタンスなのです。

たとえば、ある有効成分が「入っている」と謳う化粧品は数多くありますが、大事なのは「入っている」こと自体ではなく、効果を実感できることだと私たちは考えます。宣伝文句のためや、コストありきではないので、効果が実感できるまで有効成分を惜しみなく注ぎ込むことを厭いません。

ですから、コンセプト通りの仕上がりになるまで、何度でも検証をくりかえし続けます。その妥協のない試行錯誤こそが『よーじや』商品の心地よさの秘密だと言えます。これほど確固たる姿勢を貫いているからこそ、自信を持って商品を送り出せているわけで、少しでも迷いがある商品を世に送り出すべきではないと思っています。

商品を企画してからお客様に届けるまでには、社内外多くの人々と関わり合います。そこでのコミュニケーションを通じて、一人ひとりのベストを引き出すことで初めて最高のものづくりが実現できるものです。それはまさに商品開発の醍醐味だからこそ、その積み重ねの果てに、「あぶらとり紙のよーじや」に連なる、末永いブランドをつくっていきたいのです。